顕微受精(ICSI:イクシー)

 

(Intracytoplasmic Sperm Injection)

(Intracytoplasmic Sperm Injection)
 

卵細胞質内精子注入法

卵細胞質内精子注入法
 
 1992年、卵細胞の中に直接精子を注入する卵細胞質内精子注入法(ICSI)と いう方法が開発されました。1993年10月京都における国際学会で、ベルギーのグループがICSIの多数の成功例を報告をしました。彼らの報告では胎児 の障害も自然妊娠と変わらないとのことです。本法は、今まであらゆる医療技術を駆使しても妊娠できなかった人々に妊娠する道を開く画期的なものとして世界 の注目を浴びました。
   通常は、精子に正常な機能と形態が備わっていなければ、卵子まで到達し受精できませんが、このICSIという方法を用いれば精子の機能が不十分でも受精 が可能となりました。精子の本来の目的は、遺伝子を正しく卵に伝えるということですから、遺伝子が卵に移送されれば精子の努めは果たせ、妊娠も可能になり ます。
   精子はたとえ運動能力を欠いていても、ICSIで受精は可能ということになるのです。また、精子の頭部の先端には卵子を取り囲む膜を溶かし精子の侵入を 促すアクロシンという酵素が含まれていますが、これを欠いていてもICSIなら受精は可能です。射精された精液の中に十分な数の精子がいない高度乏精子症 でも、無精子症で精巣から採取した受精能力の乏しい精子しか得られない場合でも、受精が可能になりました。実際、我国でも精巣から直接採取した、全く運動 性のない未熟な精子細胞でも、ICSIで受精し健康な生児が得られることに世界に先駆けて証明しました。
 

顕微授精の歴史

顕微授精の歴史
 
  体外受精・胚移植やGIFTでも妊娠が難しい例に対して、1988年、顕微授精という方法が開発されました。最初に開発された顕微授精は、卵を取り囲む透 明帯という膜に精子が通過出来る小さな孔を開け、受精を促進しようという試みで、透明帯部分切開法(partial zona disection, PZD)と呼ばれます。その後、透明帯と卵細胞膜の間に精子を数匹注入し受精を促進する囲卵腔内精子注入法(subgonal sperm injection, SUZI)が開発されました。1992年にはレーザーで透明体に切開をくわえる顕微授精が、オーストリアで初めて開発され、妊娠に成功しました。1994 年、日本でも最初のレーザー顕微授精に成功し、元気な赤ちゃんが誕生しています。これらの方法は、従来の体外受精では全く受精が望めなかった高度の乏精子 症でも受精が期待できる画期的なものでした。しかし、受精率は施行した卵子の20~30%と低いのが難点でした。
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