受精卵の凍結

 

胚凍結

胚凍結
 
  胚の凍結は非常に難しく1983年に世界で始めて凍結胚を用いて妊娠・分娩に成功しています。胚をそのまま凍結しますと細胞内に小さな氷の結晶ができ、細 胞内の小器官の構造が破壊されたりします。また塩水を凍らせると水のみ氷となり塩分は塩として析出してくることと同様に、培養液の中の成分濃度が上昇し、 浸透圧の変化やpHの変化が胚に障害を与えますから、胚が損傷を受けないような特別な凍結保存液を用いる必要があります。凍結保存液で処理した胚をコン ピューター操作により、一定の速度で-7℃まで冷やし、植氷を行います。植氷とは胚の入った細いストローの一部の温度を極低温に下げ、そこから一気にスト ロー全体を氷結させることで細胞の損傷を防ぐ技術です。完全に凍結された胚は除々にコンピューター制御で温度を下げ、ー30℃まで下がった所から急激に冷 却し、ー100℃前後で液体窒素に移し保存します。この状態で半永久的に保存が可能となります。
   初回の移植で妊娠しない場合、本法によって保存された卵を2~3周期後に移植しますが、移植当たり15~20%の妊娠率が得られます。また、凍結胚によ り分娩した児にも特に異常が多いという報告はありません。医学的にもこの技術は安全が確立されていると考えらています。
 

凍結胚移植の成績と胎児に及ぼす影響について

凍結胚移植の成績と胎児に及ぼす影響について
 
  施設間により大きな差がありますが、胚移植周期当たりの妊娠率は15%~23%程度です。その後に流産もありますから、結局、生児を得る確率は12~ 18%程度になります。多数の胚が凍結された場合、1度に2~3個の凍結胚を移植しますから、仮に2度繰り返すことができると移植率は26%から、時には 30%を越えるという報告もあります。凍結胚を用いても、新鮮胚に近い着床率、妊娠率、流産率、および生産分娩率が得られという報告が多いのですが、施設 によっては凍結胚を移植した場合、むしろ新鮮胚の移植より良好な結果を得たという報告もあります。その理由として、新鮮胚を移植する採卵周期は過剰刺激の 状態にありますが、後の移植周期では正常周期の内分泌環境の下で移植することが可能であるということが考えられます。
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