月経の3日目から5日目より下垂体ホルモンであるHMGを筋肉注射または皮下注射(純度の高い製剤の場合)を開始します。注射を始めてから3日程で血中濃度が卵胞発育を刺激する濃度まで上昇し、同量を打ち続ければ血中濃度はその一定濃度を維持します。そのため月経時に卵巣内にあった3~6mm程の胞状卵胞が閉鎖卵胞に陥ることなく全てが発育し続け、約10日程注射して成熟卵胞に達し、卵胞径が18mm程になったらHCGを投与してタイミングを合わせ人工授精等を施行します。HMGを投与し続けたため、下垂体機能はネガティブフィードバックにより抑制され続けていますので、黄体機能不全の処置が必ず必要となります。ヒトのホルモン剤による排卵誘発なのでクロミッドのような抗エストロゲン作用はありませんが、良い卵胞が多数排卵するため多胎妊娠は 12~15%に発生し、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの重症例が2~3%に発生します。